覚えられないほどの不合格を経て令和2年度試験でやっと合格した、やしろうしこです。
社労士の資格に興味があるけど、勉強したところで活かせるの? と思ったこと、1度はないでしょうか。
活かせるか分からないから、勉強のモチベーション上がらないな、という方もいるかもしれません。
私の場合、勉強を始めた当初は総務・労務でしたが試験の1ヶ月前に経理に異動になってしまい、
「この勉強は無駄なのか…? 転職するにしても社労士の仕事って何…?」
とモチベーションが下がって、その後、一度勉強をやめてしまいました。
ですがご縁があって社労士業界で2回転職し、今も社労士業界で勤務しています。
社労士の資格の活かし方が分からない・検討もつかない、という方向けに、本記事では資格の活かし方と情報収集の方法をご紹介したいと思います。
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社労士に登録して活かす方法の紹介の前に、前提として「社労士合格」と「社労士登録」の違いのご説明です。
前提として、社労士に合格したら自動で社労士になる訳ではありません。
社労士合格後に社労士として社労士会に登録して初めて「社労士」を名乗ることになります。
社労士には3つの区分があります。
- 開業社労士
- 勤務社労士
- その他
開業社労士はその名の通り、社労士として事務所を開設する区分です。
勤務社労士もその名の通りですが、会社に勤務して社労士になる区分です。
勤務先は社労士事務所や法人に限らず、普通の事業会社や法人でも大丈夫です。
ただし登録時に勤務先を登録する必要があります。
その他区分は、開業も勤務先の登録もしないけど社労士を名乗りたいという区分になります。
個人個人で事情があると思いますが、勤務先までは登録したくないけど社労士として人脈を作りたい方、などがこの区分になると思われます。
社労士に登録すると地域により支部会に振り分けられ、支部の委員会の募集や懇親会などの案内が届くようになります。
社労士に合格して、登録しない理由なんてあるの?と思うかもしれません。
デメリットは登録料がかかることです。
とはいえ社労士合格しただけでは「合格者」としか名乗れず「社労士」としての業務を行えません。
以下では、社労士登録する前提での活用法を紹介します。
活用① 事業会社などに勤務しながら勉強を活かす
活用方の1つ目は、今の会社に勤務を続けるということです。
いま会社で勤務している方は、とりあえず勉強を活かしながら勤務する予定の方も多いのではないでしょうか。
社労士合格するメリットは会社による部分が非常に大きいですが、
- 社労士合格(または登録)が資格手当の対象になっている
- 社内で人事系の専門キャリアを積みやすい
- 勉強熱心や姿勢から信頼度がアップする
などのメリットがあると思います。少なくともデメリットはあまりないのではないでしょうか。
これなら、登録料を払って社労士登録しなくても良いかもしれませんが、社労士の人脈を作りやすくなるメリットがあります。
また、社労士会や都道府県支部の月報が届き、情報収集の役に立血ます。
ただ、資格の有無に関わらず同じ業務をする場合も多いでしょうし、「資格を活かしてる感」は少ないかもしれません。。
活用② 事業会社などの人事や社内社労士として転職を目指す
活用法の2つ目は、事業会社などの人事や社内社労士として転職を目指すことです。
もちろん勤務中の会社で人事や社内社労士として社内のキャリアチェンジをしても良いと思います。
ただし、他社の人事や社内社労士に転職するのは、未経験者には意外とハードルが高い印象です。
即戦力としての求人なので専門知識、実務経験が求められてしまいます。
大企業では3〜5年の実務経験もザラに求められます。
年齢にもよりますが未経験での転職は結構厳しいかもしれません。
特に「社内社労士」を指定した枠は求人自体も少なく、一層ハードルが高いです。
ただし、これも特に「社内社労士」の話ですが、社労士枠を設けている会社は大企業が多く、上手く転職できれば比較的いい待遇で勤務できることでしょう。
活用③社労士事務所・社労士法人に転職して勤務社労士を目指す
活用法の3つ目は、社労士事務所や社労士法人への転職を目指すことです。
社労士事務所と社労士法人の違いは個人事業扱いか法人化しているかの違いで、事務所と法人で扱う業務に差がある訳ではありません。
以下ではまとめて「社労士事務所」とします。
突然の開業は難しくても転職ならイメージしやすいでしょうから、ある意味「The・資格を活かす」選択肢かもしれません。
社労士事務所に社労士として勤務するなら、ある程度以上の社労士らしい業務に携わりスキルアップを目指せるでしょう。
一方、実際に転職した経験から、ミスマッチする可能性が意外と大きいのがデメリットだと思います。
事務所と法人で扱う業務が違う訳ではないと先述しましたが、当然、社労士事務所(法人)ごとの違いはあります。
というか違いが大きいです。
社労士事務所で取り扱う業務の種類は、ざっとこんな感じです
- 給与計算代行
- 手続き代行(社保、助成金など)
- 労務コンサルタント
- 障害年金
さらに、労務コンサルタントはちょっとした労務トラブルの相談を受けるような内容から人事評価制度などの経営コンサルに近い内容まで、幅広いです。
手続き代行も、入退社に伴うなど幅広い社保手続きを行う事務所から、助成金に強い事務所まで幅広いです。
もちろん複数の分野を取り扱う事務所がほとんどですが、主に取り扱うサービスで違いがあります。
また、顧客の規模によっても雰囲気がかなり変わる印象です。
大企業がメインの顧客であれば、処理する業務が多いため複数人でチームを組む場合が多いでしょうし、
中小企業がメインの顧客であれば、個人の裁量権が大きい個人プレーメインの場合もあるかもしれません。
営業の有無も事務所により違うでしょう。
社労士事務所に転職する際には、自分がやりたい分野や雰囲気を見定めてから決めないと思わぬミスマッチをしてしまう場合があります。
また、社労士事務所は小さい事務所が多いので福利厚生面はあまり期待できないかもしれません。
(もちろん、マッチング状況によっては高待遇での採用もあるでしょう。)
それでも、社労士としてのキャリアアップをゴリゴリしていくぞ!という方は、まずは社労士事務所の求人情報を探すところから始めてみましょう。
活用④社労士事務所を開業する
最後の活用法は、社労士事務所を自分で開業することです。
最も「The・資格を活かす」選択肢ですが、最もハードルの高い選択肢でもあります。
私は開業経験がありませんが、社労士としての実力より営業力がものを言う世界の様子です。
仕事を取れなければ社労士としての実力の活かしようがないですからね。
ポンと仕事をとれるような営業力があれば良いですが、そうでなければ行政協力などをしながら地道に経験を積んだり、社労士内の人脈を作りながら仕事を探していくことになりそうです。
ちなみに社労士は社労士法や倫理規定により、紹介報酬を払って宣伝・営業してもらう営業代行の依頼が非常に難しいです。
法律違反、倫理規定違反になる可能性が高いのです。
その代わり、社労士同士や税理士などの士業同士の横のつながりで紹介し合うケースが多いようです。
営業が苦手な方はせめて同業の人脈を開拓していく必要があるようです。
少しネガティブになってしまいましたが、自分のやりたいことを思うようにできる、時間を使いたいように使えるという、他にはないメリットがあります。
最終的には「自分が何を目指したいのか」を考えていく必要があるでしょう。
資格を活かすための情報収集方法 3選
活用法がわかった次に気になるのは、具体的にどんな会社・事務所があるのか、ということでしょう。
自分が働くイメージをするのにも情報が必要だし、何より今後の進路のミスマッチを防ぎたいですよね。
開業するにもある程度のモデルケースを研究が必要だと思います。
ところで、そもそもなぜ資格の活かし方が分からないのか、というところです。
単純に社会保険労務士の資格の知名度の低さに加え、求人情報も見かけないことがあると思います。
特に社労士事務所は20人も社員がいれば大所帯な方で、規模としては中小企業が多いです。
小さな会社は採用広告にあまりお金をかけられないことが多く、比較的広告料の高い大手の転職会社に掲載される広告がかなり絞られています。
ではどうすれば良いのか、ということで、私自身の転職経験をもとに、情報収集の方法3つを紹介します。
情報収集の方法①転職情報サイトに登録する
情報収集の方法、1つ目は転職情報サイトに登録することです。
私が登録していたのはリクナビ転職、マイナビ転職、ビズリーチ、ヒビコレです。
いずれも求人者の利用料は無料です。
転職サイトに登録する1番のメリットは、無料なことです。
情報収集だけなら、自分の好みの転職サイトにいくつか登録すれば家や通勤電車の中から簡単に情報収集できます。
一方、転職を全て自分で進めないといけないのはデメリットかもしれません。
応募してもマイページの情報だけで落ち続け、でも誰にも相談できない、という状況は心が折れます。
ちなみにおすすめは、一番なじみがないであろうヒビコレです。
ヒビコレは労働新聞社という会社が運営しているサイトです。
労働新聞社は、社労士業界御用達(?)の「労働新聞」という労務系の新聞の発行や書籍、セミナーなどを企画している会社です。
転職サイトとしての使い勝手は正直イマイチですが、尖った情報収集ができます。
というのも、社労士事務所の採用情報がたくさん掲載されているからです。
採用に成功しなければ広告掲載料が無料のためだと思われます。
いわゆる「社労士事務所」らしい事務所の種類を調べ、イメージを膨らませるには「ヒビコレ」を一度見ておくといいと思います。
一方、事業会社や団体職員の人事を目指すなら大手転職サイトの方が情報が多いと思います。
情報収集の方法②転職エージェントに登録する
情報収集の方法の2つ目は、転職エージェントに登録することです。
転職サイトとの違いは、エージェント会社の担当者がついて面談でのアドバイスやフォロー等を実施してくれることです。
また、応募希望者の登録料は無料です。(採用する企業側が報酬を支払います)
転職までの流れはおよそ以下のような感じです。
- エージェント会社に登録する
- 担当者と面談し、転職の方向性の確認や相談をする
- (ある程度)希望に沿ったおすすめの求人が紹介される、エージェント会社の求人を見られるようになる
- 希望の会社に応募する
- 選考し、マッチングすれば採用へ
エージェント会社に登録したら、無理に転職させられると不安に思うかもしれません。
ですが、自分が応募しなければ選考は進みません。
担当者には応募を促されるでしょうが、転職したい求人がなければ、応募しなければいいので安心してください。
転職エージェントの良い点は、一般公開されていない情報を見られることと、エージェントの担当者に相談できることです。
社労士資格を活かした転職にあたって転職エージェントが今ひとつな点は、そもそも転職エージェントに掲載されている社労士事務所の求人が少ない点です。
転職エージェント会社に支払う報酬は、採用決定者の年収の2〜3ヶ月と言われ、小さい会社の多い社労士事務所には厳しいことが多いようです。
一方、企業の人事への転職、情報収集を考えている方には、意外な求人を見つけられるかもしれません。
おすすめの転職エージェントはMS-Japanです。
「管理部門特化型エージェント」がキャッチコピーです。私自身が利用し、実際に転職しました。
MS-Japanの良い点は、社労士事務所の求人が掲載されている点です。
ヒビコレを含め、他で見かけなかった求人もありました。
一方、応募システムはあまり使いやすくありませんでした。
また、企業ごとの担当者が企業との間に入ってくれるのですが、複数の会社に応募すると複数名の担当者とメールすることになり、やや面倒でした。
ただし、選考状況の調整がうまくいかないなどの全体的な問題は、応募者側の担当者に相談すれば社内で情報共有・調整をしてくれます。
(応募者に寄り添う応募者担当と、採用側に対応する企業担当者が別にいるようです。)
また、私が見なかっただけかもしれませんが、大企業の求人はあまり多くない印象でした。
ただ、先述の通り求人は無料で、登録にリスクがあるものではありません。
社労士業界の情報収集にあたっては、MS-Japanに一度登録するのがおすすめです。
情報収集の方法③ ハローワークの求人情報を見る
情報収集の方法の3つ目は、ハローワークの求人情報を見ることです。
アナログ感がすごいのですが、伝統的に、社労士事務所はハローワークに求人が多いと言われています。
というのは、ハローワークなら求人掲載料が無料な上、ハローワークからの求人を対象とした助成金がある場合があるからです。
ハローワークの求人掲載はハローワーク側の審査がありますが、社労士は専門家ですから労働条件などの体裁を整えるのはむしろ得意でしょう。
ただ、私自身は何度かハローワークの求人サイトを見たものの、画面が見づらく実際にあまり利用したことはありません。
ただ、年金を専門にする事務所など他では見かけない求人もありました。
ハローワークの求人情報は、インターネットで家からでも見られますから、閲覧して損はないでしょう。
まとめ:社労士資格の活かし方はいろいろ。自分に合った方法を探していこう
以上、社労士に登録して活かす方法 4選と資格を活かすための情報収集方法 3選をご紹介しました。
社労士資格、とった後どうするの…? は、実は多くの社労士受験生の疑問だと思います。
開業も、転職もなあ… などとぼんやり考えて勉強のモチベーションが上がらない方は、本記事を活かして情報収集してみてくださいね。
頑張る社労士受験生に幸あれ。
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