こんにちは。
社労士試験 7回目くらいでやっと合格できたヤシロ ウシコです。
あなたは社労士試験の勉強を始めたところですか?
それとも社労士試験に勉強に興味を持ったところでしょうか?
今年度合格を予定している受験生が見るページではありません!
受験生は勉強して!!
さて、社労士試験の学習初心者やこれから学習を始める人は、社労士試験の難易度が気になりますよね。
でもネットで調べると「合格率が低く難しい」とか「他の法律系の資格より簡単」とか…どっちじゃい!! と思いませんか。
私は令和2年度試験で足切りぎりぎりで合格しましたが、社労士試験は難しい以上に、「合格しづらい試験」だと思います。
合格まであと2〜3点までは独学1年目で行けても、最後の1点のために○回目の受験なんて人もザラにいます。
何が受かりづらいのか? 何度も落ちて何周も勉強した経験を元にご説明します。
試験科目が多い
試験科目は8科目です。
- 労働基準法(労基)
- 労働安全衛生法(安衛)
- 労働者災害補償保険法(労災)
- 雇用保険法(雇用)
- 労務管理その他労働に関する一般常識(労働一般・労一)
- 社会保険に関する一般常識(社会一般・社一)
- 健康保険法(健保)
- 厚生年金法(厚年)
- 国民年金法(国年)
( )に入っているのは、よく使われる略称です。
内容としては、「一般常識」の2つ以外は、1つの科目が1つの法律に対応しています。
「一般常識」は、関連する諸法令や統計・白書の出題がされますが、「誰でも知っている常識」ではないので要注意です。
船員法に規定される船員だけに適用される「船員保険法」なんて普通知らなくない?
単純に1つの科目に1ヶ月かけると、8ヶ月かかります。
でも通信講座では、最初の科目でのんびりし過ぎて家にテキストだけ溜まってやる気が失せるパターンを何度も繰り返しました。。
という訳で、最後の年はペースを乱さないために思い切って塾通いにしました。
仮にスムーズに勉強しても、8ヶ月前に勉強したことなんて忘れますが、復習的な講義も塾で用意してくれたので助かりました。
足切りライン(基準点)が多く、捨て科目が作れない
試験範囲が広くても、得意科目で点を稼げばOKと思いませんでしたか?
残念ながら、社労士試験では得意科目で一気に点を稼ぐ作戦の効果は小さいです。
社労士試験は足切りライン(以下、「基準点」)がたくさん設けられているからです。
社労士試験は、午前と午後で「選択式」と「択一式」に分かれます。
選択式は各科目ごとに大問が8問あります。
択一式では各科目ごとに大問が7問あります。
択一式は科目数が減って見えますが、試験範囲は選択式と同じです。
択一式は「労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」の2科目が1科目扱いになります。
選択式も択一式も、大問ごとに基準点があります。
[選択式8個]+[択一式7個]=15個の基準点があり、苦手科目1つで落とすとアウトです。
さらに、選択式トータルと択一式トータルのそれぞれで基準点があり、捨て科目や捨て形式は作れません。
ちなみに全科目で基準点を取れても、トータルの基準点には達しません。
なので、苦手な科目で落とさないだけでなく、得意な科目で点数を詰み増す必要があります。
ヤシロが全ての基準点を満たせたのは、合格した本番一発だけです。。
選択式の科目ごとの基準点が地味にエグい
社労士試験の配点は、全ての設問で1点です。
選択式は科目ごとに大問が8問あり、それぞれに5つの設問があります。
5問×8科目で40点満点で、科目ごとの基準点が原則3点です。
※実際には、受験者全体の得点率により基準点が下がる場合があります。
「救済措置」「〇点救済」などと呼ばれます。
択一式では各科目ごとに大問が7問あり、それぞれに10個の設問があります。
10問×7科目で70点満点で、科目ごとの基準点が原則4点となります。
※択一式にも救済措置は存在しますが、ほとんど発動されません。
…以上の説明をよんで、選択式の方が簡単だと思った方は要注意です。
基準点は選択式の方が低いですが、割合にすると選択式が6割、択一式が4割となり、選択式の方が正解率を高くする必要があります。
設問自体が5問と少ないですから、「1問目で間違えたけど◯問目の勘が当たった」という辻褄合わせも起こりづらいです。
救済措置を当てにする訳にはいかないので、3問正解を死守しようと考えると、結構胃を痛めることになります。
ちなみに3問×大問8題=24点では選択式のトータルの基準点は通常越えられないので、残りの2問×8題=16点をどこまで撮れるか、という勝負になります。
令和2年度試験の選択式「労働基準法」は、基準点3点に対して2点以下の人が43.4%でした。つまり、この1科目だけで43.4%の人が不合格になりました。
運要素が意外と大きい
どんな試験にも多少の運はありますが、社労士試験も例外ではありません。
というか、結構大きいです。
「それテキストに載ってた?」という細かい問題や、「誰が知ってるの?」みたいな統計が出ます。
試験で出てしまえば捨て問にするしかありませんが、これが選択式だと結構辛いです。
5問中3問を当てに行っているのに、1問が捨て問だと4問中3問を取る必要があります。
基準点自体が下がる「救済措置」が入る可能性もありますが、試験中は救済措置が入るかなんて当然わかりません。
もう駄目なんじゃないかと、肝を冷やしながら問題を解いていく羽目になります。
救済措置の有無は合格発表までわかりませんし、予備校の解答速報の予想でも外れることがあります。
令和2年度は選択式「健康保険法」で救済措置が入りましたが、速報で予想できた予備校はない気がします。まあ救われた人がいるので良いんですけどね。
ちなみに配点は全て1点なので、「配点の高い問題が当たって合格!」という奇跡はあり得ません。
逆に「配点の高い問題を落として不合格」という状況もあり得ないので、どっちが良いかは人それぞれですね。
最高の対策は着実に理解し、得点力を上げること
勉強の範囲も広いし、足切りがきついし、しかも運要素があるなんてどうすれば良いのか、うんざりしたでしょうか。
最高の対策は、地道に理解し、過去問を解きまくって得点力を上げることです。
なんだそれ、と思いますよね。
ですが、片手で数えきれないほど落ちた結果、魔法のような、裏技的な攻略法は存在しないという結論に至りました。
全範囲を満遍なく落とさず、しかも取れる科目で一点でも積んでいく。
イメージ的にはロッククライミングです。
ロッククライミングは跳んでいけませんから、一歩一歩登っていくしかありませんよね。
ロッククライミングやったことがないので、違ったらすみません。。
とはいえ奇跡的にで受かることははあります。私がそうです。
唯一使えた裏技は、運を味方につけるつもりで歯を食いしばって勉強に向き合うことでした。
ただ完全に精神論ですので、これだけで受かる訳ではありません。
ちなみに私は試験の1週間前に択一式の回答練習をしたら26点で、その日は泣きながら寝込みました。
(例年、択一式の基準点は43~45点です。)
思い切って翌日から試験まで1週間かけて復習し、選択式「労働基準法」で貴重な1点をゲットして合格しました。
この1点が取れなければ基準点を満たせず不合格でした。
勉強方法は、独学でも受かる人はいると思いますが、効率を取るなら通学か通信の講座を受講するのが早いと思います。
ただし法改正と統計・白書についてはプロの手を借りることを強くおすすめします。
理由は2つあります。
- 3月までの法改正や統計が試験範囲となるため、4月以降の短期間でしか学習できない。
- 特に統計は範囲が広く、TACやLECの3回編成の模試全3回を受けても範囲を捉えられない。
選択式で丸々1科目が統計だったらどうする?という話ですね。
その1科目だけで不合格、というのも十分あり得る話です。
もちろん「やる人はやる」ということで独学でも受かる人はいますし、予備校に通っても一発合格できる人は少ないと思います。
腹を括って地道に勉強に取り組める人が受かる。
社労士試験は、そんな試験だと思います。
がんばる社労士受験生に幸あれ。
本日も、最後までご閲覧いただきありがとうございました!
コメント